弊社プロ講師養成スクールにて、「講師のためのキャリアデザイン」を目標とするベーシックコースを開催いたしました。

セミナータイトル:プロ講師養成スクール ベーシックコース第3回
講 師:人材開発プロヂューサー 犬塚尚美
日 時:2009年7月18(土)~19(日) 各10:00~19:00
会 場:ダイテックサカエ会議室6階 6C

プロ講師養成スクールは、育てる哲学とスキルをもつ講師を育成するために開校した私塾です。

プロ講師養成スクールでは、「促育」の精神をとても大切に考えています。促育とは福沢諭吉先生の造語であり、「促し育てる」という、福沢先生の人材育成の姿勢を表わす言葉です。

私は2002年からキャリアカウンセラーの養成を任されることとなり、カウンセラーを目指す人や教えることを目指す人が、とても親切な人たちであることを知りました。そして、親切であるがために、学習者の学習を妨げることもあることも知りました。

過去の流行語を使って平たくいうと、「小さな親切、大きなお世話」。

「小さな親切、大きなお世話」の中には、本人が「大きなお世話」と感じたとしても、行うべき世話もあります。その一方で、確かに「大きなお世話」であり、行わないほうがよい世話もあります。

カウンセラーや教える人は、クライエントや学習者が自律するための支援を行うことを宗利、その成長を妨げるような世話をやいてはならないはずです。残念ながら、実態は「大きなお世話」が少なくはありません。これは自戒を含めての私見です。

交流分析やTAを学ぶと、「ディスカウント(値引き)」という概念が登場します。

ディスカウントとは『現実、他者、自分自身の状況の、ある様相を無視したり軽視したりするような心の中のからくりや、その具体的なあらわれとしての行動(1977,岡野嘉宏)』です。

他者の価値や能力をディスカウント(値引き)しているために、余計なお世話をやいたり、場合によっては見捨てたりするような傾向は誰にでもあります。誰にでもありますが、講師という立場にある者がこうした傾向を強くもっているのは問題です。

プロ講師養成スクールでは、自ら学ぼうとする人たちが求める知識やノウハウを提供しつつも、学習者たちが自ら学習することを促せる講師の育成をめざしています。

人が人として健康に生き、自分らしい人生を築いていくためには、自ら学び、自ら育っていくことが不可欠です。ですから、プロフェッショナルな講師は必要に応じて、知識やノウハウを教えるとしても、その支援の本質は「促育」からぶれてはなりません。

促育の実践は、人を深く信じるところにしか起こりえず、私自身、促育の実践について試行錯誤の途中です。

教育をビジネスとして行っていると、短期の教育成果も求められます。主催者の評価や受講者アンケートを意識して、ついつい余計なお世話を焼いて、達成感という案直な満足感を与えてしまったり、将来学習者自らが見つければよい答えを教えてしまったり・・・。

プロ講師養成スクール受講生の皆さんとともに、私自身も修行を重ねる毎日です。

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