高知の「浪漫亭」さんの東京新橋の出店で、久しぶりの土佐料理とともに
銘酒「船中八策」をいただきました。

「船中八策」はご存じのとおり、土佐の「司牡丹酒造株式会社」の純米酒。
司牡丹は大正7年、土佐の佐川町の醸造家五軒が結集して
近代企業としての「会社」を創立して、世に送り出した名醸酒です。

奇しくも、先週のNHK大河ドラマ「龍馬伝」は第43回「船中八策」でした。

明治新政府の綱領「五ヶ条の御誓文」につながった「船中八策」は
坂本龍馬が長崎から京都へ向かう「夕顔丸」船中で説いた、と言われます。

大河ドラマでは、中岡慎太郎によって酢屋にかくまわれた龍馬が
草案を読み上げるシーンとして、ドラマチックに演出されました。

中岡を演じる男優上川隆也さんによると・・・

「大政奉還のその先にある 夢のような世界を龍馬が語るんです。
当時の人たちの想像を越えていたであろう 理想的な世の中の仕組みが、
その八策の中に凝縮されていました」「ぼくは演じながら、
ずっと揺さぶられていたし、込みあげて来るものを抑えられなかった、
そういうシーンです」(NHK「龍馬伝」公式サイトより)

同感! 心が動き、こみ上げるものがありました。

それは、龍馬が泥をかみながら積み上げてきたキャリアが
やっと凝集された、いよいよ花開いたことへの感動であり、
混迷する時代にあって、新しい国づくりをめざす夢への感動です。

ここのところ、北朝鮮、中国の動きがアグレッシブに傾いている中
日本の政治はご存じのとおり…。ゆゆしき事態といって、よいでしょう。

ただし、それを、現政権の手腕不足、と片づけるばかりではいられません。

龍馬が描いた、民を主権とする公平かつ公正な社会を
私たちはいつ、どのように見失ったのでしょうか?

龍馬にかぎらず、明治維新に国を拓いた先人たちの志を
私たちはいつ、どのように捨てたのでしょうか?

龍馬をはじめ、明治維新に国を拓いた先人たちの血と涙と汗を
私たちはいつ、どのようにして忘れたのでしょうか?

与野党の政治家はもとより、私たちのひとりひとりが胸に手をあてて
ひとりひとりが、平成の船中八策を書きつづるべきときが来ています。

銘酒「船中八策」を飲みながら、維新の人の夢を想い、平成の国を想い、
将来の国づくり、それぞれの夢づくりを想う秋の夜長です。

銘酒「船中八策」の商品タグに記されている
坂本龍馬作と言われる「船中八策」は下記のとおり。

策は八つ、一言でいえば「天皇を戴いた民主政体(デモクラシー)」の実現です。

一、 天下の政権を朝廷に奉還せしめ、制令よろしく朝廷より出づべきこと。
一、 上下議政局(議会)を設け、議員を置きて、万機よろしく公儀に決すべきこと。
一、 有材の公卿諸侯及び天下の人材を顧問に備え官爵を賜い、
よろしく従来有名無実の官を除くべきこと。

船中八策 続いて外交条約のこと、憲法制定のこと、海軍拡張のこと、防衛のこと、金銭レートのこと、が述べられ、長岡謙吉が文章化します。そして後書きで、公明正大の道理に基づき、一大英断を以て天下と更始一新せん、と結ぶのです。この「船中八策」は、「薩士盟約」や「大政奉還に関する建白書」の基案となり、明治新政府の綱領「五ヶ条の御誓文」につながるものですが、抽象的な御誓文に比べると、より具体性のあるものといえるでしょう。龍馬没後23年の明治23年、貴族院、衆議院より成る帝国議会が開院され、龍馬の願い「船中八策」は、遂に全て叶えられたのでした。

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