AAプロ講師養成スクール受講生自主研究会では、IBM人財ソリューションズ 契約講師 伊藤啓子先生をお招きして、「コラージュ入門」のワークショップを開催しました。
コラージュという手法は、現代アートの手法としてのコラージュ、心理臨床の手法としてのコラージュに大別されますが、今回のワークショップは伊藤先生によると、その中間的なものとのこと。
芸術手法としてのコラージュは1912年頃、キュビズムのP・ピカソ、G・ブラックが創始し、1919年、ダダイズムを経てシュルレアリズムの第一人者となったM・エルンストが「意想外の組み合わせ」としてのコラージュを発案して、その後の展開につながったようです。
一方、心理療法としてのコラージュ療法は、諸外国では1970年頃から集団精神療法の分野で取り入れられ、日本では箱庭療法と同様に思想の表現として、心理臨床のみならず医療、看護、教育、司法、産業などさまざまな分野で発展しているようです(アートセラピー研究所ホームページより)。
伊藤先生から簡単な手順の説明を受け、直観を働きやすくするための簡単な儀式を行ったあと、14:00頃から16:00頃までの約2時間強。参加者たちはほとんど会話を交わすことなく、けれども和やかに作品の制作に没入しました。
靴を脱ぎ棄てて取り組む人も・・・。
作品の断片を集めるにも、雑誌をめくること約1時間。その後、構図や配置を決めながら取捨選択を繰り返し、予定の2時間はあっという間に過ぎて往きました。
私の初作品は画用紙を8枚つなぎ合わせた大作となりました。内にある矛盾をあぶり出すかのように、喧噪と静寂が燃え上がる作品です。
原始と現代、生と死、虚と実、日常と非日常、現実と幻想・・・。初めは直観で選んだはずの写真たちがやがて意味をもつようになり、1枚、1枚の貼り込みでは、かなりの意図をもって配置しました。
できあがった作品は「私」の写真を中心に、隣合わせのイメージたちが大きく渦を巻いていて、まるで曼荼羅のようです。この構図は、全く意図せずして生まれました。
伊藤先生からはエネルギーがないと描けない作品とお声をかけていただきました。そういえば、生のエネルギーの猛々しさがたぎっているとも見えます。
コラージュは内なる世界を「見える化」してしまう、畏るべき道具です。
[…] ※「コラージュ入門 part.1」については、こちらから ※コラージュという手法については、こちらから […]