自らの命を絶つ人の数が11年連続で3万人を超えている今の日本。

NHKホットモーニングでは先週、その対策や先進国の取り組みついての特集を放映しました。感じるところの多い番組でしたが、強く印象に残ったのは、フィンランドの遺族の取り組みでした。

フィンランドでは自殺に対する偏見があり、遺された遺族も辛い想いをするのだそうです。遺族の気持ちを分かち合うため、道行く人々に黒いリボンを渡し、ネットに結んでもらうという運動です。

おみくじのように結ばれた黒いリボンの前で、ひたすらハンカチでまぶたをぬぐい続ける遺族。あまりにも痛々しくて、涙があふれました。

夕方になると、たくさんのとうろくに火が灯されます。死んだ人も辛かったし、遺された人はもっと辛い…。亡くなった方々の冥福とともに、遺族の方々の傷みが癒されることを祈らずにはいられませんでした。

そんな体験をした直後の昨日、チーム医療さん主催のセミナー「メンタルヘルス検定を実際の対策にどう活かすか」に産業カウンセラーの新井典生先生、NLPトレーナーの梅本和比己先生とご一緒に、出講いたしました。

メインのお話は新井先生の検定対策講座、梅本先生の傾聴トレーニングで、私はメンタルヘルス・マネジメント検定での学びをセミナー、ワークショップなどで展開し、啓もう活動につながていただくために、セミナープログラムの作り方などをお話しをいたしました。

長年、大手企業の総務部長としてメンタルヘルス対策に臨まれてきた新井先生のお話は、実体験がベースにあるだけに説得力があり、うつは自殺にいたるから怖い病気…という、その怖さを実感いたしました。

そして、自殺によって家族のみならず、職場の関係者にも大きな動揺や心理的なダメージを受けるという事例を伺いながら、メンタルヘルス対策とは社会貢献であることを痛感しました。

梅本先生はうつ対策としての傾聴の効果を語られ、傾聴トレーニングを実施されました。これをオブザーブしながら、人々の話に耳を傾ける行為の重要性を再認識もしました。

NPO法人キャリアデザインフォーラムの活動の一環として、私はプレイバックシアターという即興劇の劇団活動をしています。これは人々が語った気持ちやストーリーを即興で演じる手法です。言ってみれば、人のお話を聴く活動です。

職場ストレスに苦しんでいる人々や自殺によって家族や同僚を亡くした人々のお話を聴き、演じることによって、メンタルヘルス対策の一役を担えるかもしれない…。そんなインスピレーションとモティベーションを得ることもできました。

このテーマに取り組むことは私たち劇団にとって、大きなチャレンジといえますが、ソーシャルチェンジをめざすプレイバックシアターにふさわしい活動になりそうです。人の心が癒され、自殺が防がれ、家族や友人、同僚を亡くして苦しむ人を減らしたり癒したりすることをとおして、社会に貢献できれば幸いです。

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One Response to “メンタルヘルス対策で社会貢献”

  1. […] ー」で講師を担当した。 講師は、チーム医療の梅本社長、アリーナアドヴァンス代表の犬塚尚美先生と私の3人。 私が、うつ病をモチーフに管理者の3つの役割についてお話し、梅本先 […]

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