キャリア教育の効果的な指導内容・指導方法や産業界・関係団体等との
連携の在り方について検討するとともに、高等学校のキャリア教育の一層の
充実をはかることを目的とする「キャリア教育推進会議」が開催され
委員として参加いたしました。

<平成21年度キャリア教育推進会議>

主催:愛知県教育委員会
日時:2010年2月9日(火) 14:00~16:00
場所:愛知県三の丸庁舎 会議室
議題:
(1)「高等学校におけるキャリア教育の在り方に関する調査研究」について
(2)高等学校におけるキャリア教育推進の在り方について
(3)その他

議長である蒲郡高校の白井 満校長先生の議事進行のもと
まず、守山高校、杏和高校、内海高校、高浜高校、蒲郡高校の5校から
キャリア教育推進モデル事業としての取り組みについて発表がありました。

その後、各委員から「キャリア教育の在り方」について意見が求められました。
私へのリクエストは、高校へのキャリアカウンセリングの導入についてでした。

7年間にわたる石川県金城短期大学での取り組みに基づき
カウンセリング的な関わりを取り入れ、生徒の自己決定を促すことができると
生徒の離職予防や職場適応につながるのではないか<という私見を述べました。

委員のひとり、連合愛知の副事務局長 山口 建さんからは
連合愛知さんと愛知県経営者協会さんの取り組み
「社会に出る若者のための労使共同事業」が紹介されました。

2つのプログラムがあり、ぜひ、活用して欲しいとのことです。

「高校教師のための企業見学」(愛知県経営者協会 企画海外グループ)
「高校生のための労使出前講座」(愛知県教育委員会 高等学校教育課)

高校の先生が会社や工場の見学するのを受け入れたり
学校の授業に、社員を無償で派遣する事業をされているとのことです。

最後に、守山高校の太田 博道校長先生からは
進学中心の高校ではキャリア教育が遅れている傾向があり
次年度は普通科高校でも、キャリア教育の推進を図っていきたいとの
コメントがありました。

まさしく!

キャリア教育=就職指導ではなく、生き方、働き方についての選択や
意思決定を支援を促す教育ですから、進学校にも必要です。

生徒自らが、現時点での自らの興味、能力、価値観をふまえて
それらにフィットしそうな生き方、働き方を展望しながら
現在の選択を自発的に行うよう、支援することは
学校のみならず、人生の先輩である大人たちの役割です。

さて、各校の在校生の特徴をふまえた取り組みは、とても興味深いものでした。
熱が入って、持ち時間を越える発表が続出!
学校の先生はとても多忙と聞きますので、その間隙をぬっての活動です。

きっと、多大な手間暇、ご苦労がおありだったでしょうから
発表される先生方の想いは一塩にちがいなく、熱が入るのももっともです

発表に関わる質問が求められると、NPO関係者が
キャリア教育に関わる今後の予算どりについての質問をしました。

場内の空気が少しだけ揺らいだ感じがしました。
意外な質問だったということでしょうか

要するに、19年度から21年度までの3年間にわたるモデル事業では
発表した5校での取り組みに終わっており、5校のような活動を広げるには
さらなる予算が必要で、今後はどうなるのかという問い合わせのようでした。

これについては、公的サービスに関わる現場を垣間見るようになり
ちょっとした見解をもつようになりましたので、私からは意見を述べました。

それは、5校の取り組みは有意義なものではあるけれども
国のお金=血税を使って、3年間の試行期間を経たわけですから
この後は、学校と家庭と地域が手弁当で引き継ぐべき、と私見です。

支援といっても、レスキュー的な支援と、ヘルプとしての支援があります。

自分ではできないことを助けるのがレスキュー。
たとえば、災害やDV被害の救済です。

誰かが自分でできるようになることを助けるのがヘルプ。
自立支援と呼ばれる公的サービスなども、これらに当たるでしょう。

キャリア教育への予算配分は、ヘルプ的な支援といえますから
予算があるうちに、関係者がノウハウを学び、身につけて、自立する
=経済的負担も含め、学校や家庭、地域でキャリア教育を行っていく
というのが、本筋の姿といえます。

たとえば、キャリア教育といっても、日常的な躾なども含まれており
これは先生や家庭、知識社会で子どもたちに教えることができますし
専門的な知識が必要なプログラムもありますが、内容や指導方法を学べば
指導の専門家である先生たちで十分、対応できるものがほとんどです。

すでに、5校の取り組みが事例としてあるわけなので
他校が独自のやり方、進め方を考え、導入していけるはずなのです。

5校の先生方には、お手数ですが、先行者として手ほどきを惜しまず
モデル事業体に付随する責任をお果たしいただくことにはなるでしょう。

ニート、フリーター、若年者や新卒者の未就業などの就業問題と
キャリア教育をつなげて、キャリア教育=セィフティネット扱いをして
恒常的に血税から予算をとっていたら、国民の首が絞められるばかりです。

もちろん、不景気、失業から通学ができない、給食費が払えない生徒に対し
福祉的な施策を手当てするのは、不可欠なことです。
そして、こうした生徒が就業上の不利益を被らないよう
「特殊なニーズを持つ青少年」への支援としてのキャリア教育も不可欠です。

そして、こうした難しい支援のノウハウですら、関係者が習得し合い
自立的なサービスをめざしていくのが、健全な市民感覚だと思います。

私も地域の一員として、地域の子どもたちのキャリア教育を行わねばと痛感。
うるさいおばさんとして、子どもたちの「躾」に口を出したりしましょうか(笑)

Tags:

トラックバックURL

コメント

コメント欄では次のタグが使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>