産能マネジメントスクールの段取り力開発セミナーの今年度分が終わりました。
来年度もすでに月1回程度の開催が予定されている中
プログラムと教材のヴァージョンアップを検討しているところです。

3年間の実施をとおして、段取りとは「プロセスの効率化」であり、
段取り力を開発とは、段取り脳を鍛えることだと思うようになりました。

“段取り脳”を鍛えると、次の2つができるようになります。
これは、段取りが得意な人=段取りの達人の脳の使い方の特徴です。

○全体視野が広くなる
○スイッチ思考が自在になる

1)全体視野

段取りが得意な人は、細部を詰める前に全体をつかみます。

一方、苦手な人は全体をつかむ前に、細部をつめ始めます。
細部をつめ始めると、部分部分の検討に手間と時間がかかってしまい
なかなか先へ進めないうちに、期限が迫ってきます。

また、部分を固めすぎると、全体の整合性がとれなくなることもあり
仕切り直しが必要になったり、進捗がとん挫したりしがちです。

段取りの達人は、全体を先につかんでから細部をつめていきますから
現時点で、部分部分については、どのくらいつめばよいか
各部分の詳細はいつまでにつめればよいかのイメージが明らかです。
したがって、過剰な体力投入なくして、期限厳守で仕事を完了できます。

全体視野が広いということは、森もみて、木も見られるということです。

飛び込みの仕事が入っても、全体が見えていれば
飛び込みの仕事をどのくらい差し込めるのか、見当がつきます。
差し込めない時には、どう対処するのか、冷静に考えることができます。

2)スイッチ思考

全体視野が広がっていれば、先を見通すのも容易です。
全体と先が見えるということは、物事を流動的にとらえられるということです。
だから、異なる仕事、たくさんの仕事をさばけます。

段取りの達人は眼球と意識の視野が広く、全体が見えています。
そして現在のみならず未来や、必要に応じて過去にも意識をシフトできます。

そこで、先を見通して、起こりうることを予測し、過去の経験則にてらしたり
全く新しいアイデアを創出したりして、現時点での最善の意思決定を行えます。

また、視野や意識を集中させる先を、分秒単位でスイッチさせられますから
たくさんの仕事をあたかも並列処理するかのごとく、処理していけます。
スープのダシをとりながら、肉に下味をつけ、野菜をカットできるです。

段取りの苦手な人はたいてい、部分を見て、現在を見ています。
つまり、物事を静的、部分的に見ており、様々な事柄を同時につかめません。

そこで、目の前にある仕事に意識が集中しやすく、他の仕事、先の仕事への
意識の切り替えが遅れたり、集中しきれなかったりするのです。

発生した仕事、依頼された仕事は発生、依頼の順番どおりに処理し
前の処理が終わってから、次の仕事に取り掛かるものだと訴える人に
出逢ったことがあります。

この思考では、特定の仕事を正確かつ丁寧にこなすことはできても
異なる仕事、たくさんの仕事をさばくことができません

そこで、一生懸命、仕事に取り組んでいるにも関わらず、処理スピードが遅く
いつも、仕事に追われている感じが強く、期日遅れも遅れがちになるのです。

来年度からの段取り力開発セミナーでは、「段取り脳づくり」をコンセプトとし
「段取り脳」を創るメソッドをさらに構造化していく予定です。

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One Response to “段取り力開発セミナー その3 ~セミナー講師レポート~”

  1. […] 段取りが上手な人には特有の思考のパターンがあり これについては、段取り力開発セミナー その3で概要を書きました。 […]

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