今年の広島原爆記念日は65回目です。

毎年、この日の朝は、NHKの映像を見ながら、黙とうを捧げ
世界平和を心から祈る1分間を過ごします。

65回目にして、始めて、国連総長、米国大使が式典に参列。
やっと…という想いと、遺恨を越え、世界平和への願い、祈りが
つながり始めたことに感慨を覚えます。

さて、本日のtv asahi 『徹子の部屋』では、元TBSアナウンサーで
退職後はフリーアナウンサーとして活動されている山本文郎さんが出演され
広島での被爆から15日後に亡くなった、お父上のエピソードを語られました。

父上は軍医さんで、7/31に広島の陸軍病院に赴任。
8/6に被爆されるという、不運に遭われました。

被爆後まもなく、電車で故郷の鳥取に戻って入院されました。
島根に疎開していた山本さんは病院へかけつけ
そこで見たのは、全身が黒こげになったお父上の姿だったそうです。

死が近づく父上の耳を這う、ウジ虫をとってあげたこと
8/15の終戦を知った父上が「犬死ではないか」と涙されたこと
小学校5年生の少年が辞書をひいて「犬死」の意味を知り
父に終戦を知らせなければよかった、と後悔したということ
…身を切られるようなお話しが続きました。

そんなわけで、山本さんは長い間、アメリカ人を嫌っていたそうですが
結婚後、ご近所にアメリカ人の軍医さんが引っ越してこられ
お子さん同士が仲良くなり、家族ぐるみのおつきあいを始めました。

軍医さんの帰国が決まった時に、はじめて、父上の被爆体験を打ち明けると
軍医さん夫婦は涙を流されて、「申し訳ない」とおっしゃったそうです。

これを機に、アメリカ人に対するわだかまりが解けた山本さん。
「人間の生き方に国境はない!」とおっしゃた力強い言葉が
キャリア開発に日々、関わる者としての心に響きました。

山本さんのお父さん、あなたの死は決して、犬死ではありません。

あなたたちの惨い死を悼めばこそ、国境を越えて、人の心がつながり
核廃絶、戦争反対、世界平和を願う人たちの心がつながり始めています。

今年の式典に参加した国連総長、米国国務長官の命を受けた大使
英仏の外交関係者の姿を天国からご覧いただけましたか!

そして、被爆はもとより戦争、紛争で亡くなられた人々の魂に報いるため
私たちは戦争、紛争はもとより、日常の争いやいさかいのない
平和で穏やかな暮らしを営むという、生き方を選ぶ責務があります。

にもかかわらず、日々の暮らしの中で、小さな争いやいさかいを
ついつい繰り返している愚かさも否めない…

被曝された方々の魂に洗われて、わが身をふりかえる
65回目の広島原爆記念日でした。

合掌。

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