昨日、島第一原発3号機で作業されていた3名の被ばくが報じられ
本日は、炉心から放射線がもれていることも明らかにされました。

そして、原子力安全委員会は、次のような見解をまとめました。

「屋内退避の指示が出ている20~30キロの地域のうち
放射線量が比較的高い地域の住民は
積極的な自主避難を促すことが望ましい」

「放射性物質の放出が続く可能性が高いことを踏まえて
屋内退避区域の全ての住民も
予防の観点から自主的に避難することが望ましい」

その後、枝野幸男官房長官は、記者会見で次のように述べました。

「地元市町村は、住民の自主避難を促進するとともに
政府の避難指示が出た場合には直ちに避難を実施できるようお願いしたい」

そして、次のとおりの「避難指示」に切り替える可能性も示唆しました。

「事態の推移によっては放射線量が増大し
避難指示を出す可能性も否定できない。
避難指示を想定した諸準備も加速する必要がある」

パニックにならないように…という配慮(?)は分かります。

しかしながら、「予防的観点から」という表現からは
事態の深刻さを慮れ…というニュアンスが窺われます。

そして、「政府の避難指示が出た場合には直ちに避難」という表現は
よいほうに転がったら、政府が、無駄な避難を奨めたと言われないよう
悪いほうに転がった時には、政府の指示が遅かったと言われないよう
いずれの場合にも備えて、責任回避をするための言い回しなのでしょうか。

この危急の折に、声をあげず、暴動も起こさない国民たち…
政府は国民の我慢強さに甘えているようにしか思えません。

この危急の時期に、中途半端な「促し」をすることこそ
風評被害の温床になりかねません。

私たちには、情報を吟味し、きちんと判断する能力があります。
そして、何をするのか、しないのか決断する力があります。

枝野官房長官の記者会見とは裏腹に
福島からいったん避難した人々の中に、福島に戻った方がいます。

自らの意志で、危険が予想される人もいるということです。

政府や東電には、正確な事実としてのデータを公表すべきです。
そして、データーをいかに読み取るかについての
客観的なガイドラインも正確な事実として、示すべきです。

パニックにならないようにという配慮(?)からとはいえ
事実も伝えずに、責任回避のような自主避難を促すとは
我慢強くて、マナーのよい国民の力を信じていないからに他ならず
失礼としか、言いようがありません。

私たち国民はきちんと受け止め、自ら判断、決断する力があります。

お上が考えて、決めて、下々が従うという時代はとっくに終わっています。
自分たちだけが利口で、国民は劣るという基本姿勢は捨てるべきです。

この危機に、国民がどのように判断、決断したらよいかを
ひとりひとりが検討できるような情報を提供してください。

さもなければ、政府の責任において、「避難指示」を出してください。

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