第2次菅改造内閣 厚生労働副大臣の大塚耕平さんが
福島第一原発事故に関わる、放射性物質の影響について
政治経済レポート「OKマガジン」で説いているので
内容をダイジェストして、お知らせいたします。

同マガジンは、大塚さんが2001年の参議院議員に初当選して以来
発信し続けているメールマガジンです。

以下がダイジェストです。原文は、大塚耕平公式サイトから。
ダイジェストは、筆者の文責において行っています。

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東北関東大震災が発生してから17日目です。
被災地の皆様に重ねてお見舞いを申し上げますとともに
お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り致します。

また、救助・救援・復旧活動に携わっている関係者の皆様のご活動に
御礼を申し上げます。

さらに、放射線被曝のリスクと対峙しつつ、福島第一原子力発電所の事故対策に
取り組んで頂いている関係者及び自衛隊、警察、消防等の皆様に心から
感謝と敬意を表します。

1.日本人の絆

3月11日、三陸海岸沖で日本の観測史上最大の地震が発生。
誰もが想像できなかった規模と悲惨さの災害が発生し、
今も厳しい状況が続いています。

地震に端を発し、東京電力福島第一原子力発電所で重大事故が発生。
炉心溶融に至ることも懸念されており、事態は深刻です。

今回の東北関東大震災と原発事故は、敗戦に匹敵する被害を
経済と社会にもたらすリスクがあります。

原発事故、計画停電等に起因して経済と社会が受ける甚大な被害は
今後さらに拡大していくリスクが高いと言えます。

事態の深刻さは、当然被災地に近いほど臨場感があります。

東北・関東以外の地域の国民の皆さんにも、
事態の深刻さに対する認識を共有して頂き、
さらにご協力、ご支援をお願いしなければなりません。

敗戦に匹敵する被害となるリスクがある現状下、日本人の絆の強さ、
日本の社会の底力を発揮する局面です。

全国民が被災者の窮状、被災地の惨状に思いを致すとともに、
事態の深刻さに対する認識を共有し、支援と復興に取り組むことが求められます。

「ジャパン・ショック」の影響は世界経済にも影響を与えることは必至です。
株価のみならず、金利、為替等、あらゆる面で影響が波及していきます。

経済の緊急事態に対処のためには、国際社会の協力が不可欠。
既に為替の協調介入も行われました。

事態の深刻さを的確に伝えるとともに、国際社会に協力を要請することも必要です。

各界と国民が一丸とならなければこの難局は乗り切れません。
一致団結して現実と向き合うことが必要です。

2.自然と放射能の威力

原発事故の今後の展開は予断を許しませんが、日本は今後、長きに亘って
放射線物質と向き合わなければならないという現実は確定しています。

その現実と冷静に対峙していくために、
放射線物質に関する客観的な情報を理解していくことが必要です。

食品や飲料水の出荷・摂取制限に伴い、
耳慣れない単語や単位が飛び交うようになりました。

ベクレル(Bq)は放射性物質が放射線を出す能力を示す単位。
一方、シーベルト(Sv)は放射線による人体への影響を示す単位。

放射線にはアルファ(α)、ベータ(β)、ガンマ(γ)、エックス(χ)、
中性子があり、それぞれ特徴や威力が異なります。

放射線を出す放射性物質には、ヨウ素、セシウム、ウラン、ストロンチウム、
プルトニウムなど、様々な種類(核種)があります。

普通に生活している人は1年間に2.4ミリシーベルト(mSv)程度被爆します。
宇宙線と自然界に存在する放射性同位元素が出す放射線によるものです。

レントゲン写真や胃のエックス線写真を撮ったり、飛行機に乗っても被爆します。
問題は浴びた放射線の量、つまり被曝量。そのことを線量と呼びます。

現在、食品や飲料水に含まれる放射性物質に対しては、
安全のうえにも安全な厳しい暫定規制値を適用しています。

しかし、これから長きに亘って放射性物質と向き合っていかざるを得ない日本。
どの程度の規制値が適切であるのか、
そしてどのように社会全体で協力し合っていくのか、今後の冷静な議論が必要です。

3.客観的な認識と冷静な対応

地震後の津波によって発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、
放射性物質の拡散が次々と確認されています。

17日、厚生労働省は食品に関する放射能の暫定規制値を公表しました。

放射性ヨウ素については、飲料水は300Bq/kg以下、野菜類は2000Bq/kg以下です。

300Bqの放射性ヨウ素の入った食品1kgを食べた時の人体への影響は、
0.0066mSvの被爆を受けたことになります。

0.0066mSvという被曝量は、胃のエックス線検査を1回受けた場合の
被曝量(約0.6mSv)の86分の1以下、
あるいは東京からニューヨークに飛行機で移動した場合の
被曝量(約0.1mSv)の14分の1以下という水準です。

要するに、300Bq/kgの水を1日1kg、1年間飲み続けると、胃のエックス線検査を
1回受けた場合と同様の影響があるというのが客観的な事実です。

放射性ヨウ素などは自然界で存在しない物質であり、注意することは必要です。
そうした観点から、食品や飲料水の検査が開始されました。

原発から放出された放射性ヨウ素などは、風によって運ばれ、
葉の大きい植物や作物に付着しやすいのが実情です。

したがって、ホウレンソウ等の葉菜類に付着した放射性物質が
最初に話題となりました。

しかし、飲料水と同様に、過敏になることなく、冷静に対応することが必要です。

飲料水に含まれる放射性ヨウ素については、
乳児のみ100Bq/kgという大人より厳しい暫定規制値となっていますが、
これは、乳児の甲状腺にはヨウ素が蓄積され易いことに留意した対応です。

国際放射線防護委員会(ICRP)でも乳幼児については同様の対応をしています。

現時点では、原発事故の収束が見通せず、
今後の被爆線量が流動的であることを勘案すると、やむを得ない対応です。

飲料水の摂取制限が行われる際には、乳幼児や子供にペットボトルや給水が優先
的に行き渡るように、大人の皆さんの協力と買い占め等の自粛が必要です。

これだけの原発事故が発生したことから、今後も暫定規制値を上回る食品や
飲料水の検査結果が発表される可能性は高いと言えます。

客観的な認識と冷静な対応が、消費者の混乱や産地のダメージを抑制し、
原発事故の影響を極小化することに寄与します。
そして、大人の理性と節度ある行動が、日本の次の世代を守ります。

(了)

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